バイクのヘルメットを選ぶ場合、まず、デザインやグラフィックの好みで選びたくなるものです。
メーカーのホームページなどで気になるヘルメットを見ていると、各社が独自の機能性について列記しています。
バイクのヘルメットの機能にはどんなものがあり、どれを優先すべきなのかなんとなくわからないと思うことはないですか?
この記事は、バイクヘルメットの機能性について深掘りして、ヘルメットをどう選んだら自分にあったヘルメットが探せるのか理解できる内容になっています。
バイクのスタイルで重要なヘルメットについて、デザインだけでなく機能性も知ればヘルメット選びに
迷いが生まれなくなります。
あなたに合ったヘルメット選びに関する機能性について読んでみてください。
バイクヘルメットの機能11種について


最新のバイクのヘルメットにはさまざまな機能が盛り込まれています。
大まかに11種の機能があります。
また、ベーシックでシンプルなヘルメットにはほとんど最低限の機能しかないヘルメットもあります。
主にフルフェイスヘルメットについてですが、
最新の機能性ヘルメットにはどんな機能があるのでしょうか?
全て挙げてみると以下のような機能があります。
バイクヘルメット(フルフェイス)の機能(11種)
●ベンチレーション機能
●シールドの各種機能性
●インナーバイザー
●曇り止めシールド
●ブレスガード
●ヘルメットの内装
●スピーカーホール
●眼鏡スリット
●空力スポイラー
●チンカーテン
●あごひも(Dリングかラチェット式か)
●クイックリリースシステム
たくさんあるヘルメットの機能ですが、それぞれ解説していきます。
ベンチレーション機能


ヘルメット内の空気の流れを調整する開閉式ダクトのことで、夏場などにヘルメット内を快適にする機能
ベンチレーションのあるヘルメットは、頭頂部・シールド付近・あご部分などに2箇所から6箇所ついています。
3箇所以上あるものは効果が高い傾向にあり、また内部に入った空気を後方へ出す出口(ダクト)があるなしではベンチレーション効果が違ってきます。
ヘルメットの内装に風の通る溝をつけて、より通風効果を得られる工夫をしたヘルメットもあります。
ベンチレーションありといっても、どれだけ効果があるかを見極めるポイントにもなります。
●通風口の数をチェック 後方ダクトの有無もチェック
シールドの各種機能性

シールドの機能としては
ゆがみの無さ・視野の広さ・静粛性・UVカットなどの機能があり、オプションでシールドのカラーを変更できるものが多いです。
UVカットシールドを採用しているメーカーもあります。
●日焼けを気にするならUV対応
インナーバイザー

二重シールドとして内側にサングラス機能のあるインナーバイザー付きヘルメットもあります。
目の保護や眩しさ軽減機能です。
●サングラスを購入するよりはワンタッチで上げ下げできるので便利
曇り止めシールドについて

ピンロックシート®︎という二重シールドにより、シールドの曇り止めシートを装着できるヘルメットがあります。
各社独自の曇り止めシートがあります。
●あると便利な機能 冬場にシールドを開けなくても曇らない
ブレスガード

曇り止めシート同様のシールドの曇り止めの機能 吐き息からシールドの曇りを抑える効果があります。
ピンロックシールドなしでもシールドの曇りを防止できます。
●曇り止めシートがなくてもシールドは曇りにくくなる
ヘルメットの内装について

ヘルメットの内装は汗や汚れで不潔になりがちですが、
最近のヘルメットは内装を外して洗うこともできます。
また、抗菌・防臭・冷感などの機能性素材を使用した製品もあります。
内装の素材に機能性素材を使用しているヘルメットはさほど多くはありません。
●汗の臭いや汚れが気になるなら外して洗えるものを選ぶべき
スピーカーホール

インカムの普及率が高くなっているため、標準的なヘルメットにはインカムのスピーカーを取り付けるヘルメット内の窪みを設けています。
●インカムを使うなら必ずチェック
眼鏡スリット

眼鏡族には、眼鏡スリットが重要で、この機能を考慮していないヘルメットを選ぶと
後から加工することが難しいため注意が必要です。
●眼鏡族だけでなくも保護グラスを使う方は要確認
空力スポイラー

ヘルメットが高速走行で風にふられないために、本格レーシング仕様のヘルメットには
ヘルメットに空力効果を高めるフィンのような形状がプラスされています。
ヘルメットのデザインをよりモダンでレーシーなデザインにしています。
●高速走行を快適にしたいならチェック
チンカーテン

ヘルメットの静粛性を高める効果のある、あご部分の空力パーツ
チンカーテンがあると、風切り音は少なくなるのです。
●風切り音の少ないヘルメットと言える
あごひもはDリングかラチェット式か

ヘルメットのストラップは、本格レーシング仕様のヘルメットでは古典的ですがDリング式で、
ワンタッチラチェット式は安全上使用されていません。
●本格仕様の安全性の高さはDリング式
クイックリリースシステム

ヘルメットを他者が簡単に脱がせるためのクイックリリースシステムは、主に事故時用
普段用ではなく緊急時用の機能で、上位機種のみの搭載された機能です。
●事故での応急処置用なので必要と考えるならあり
ヘルメットの機能以外 材質についても知る
ヘルメットの機能性はライディングを快適にするために工夫し、進化して来た機能ですが、
基本の部分でヘルメットの安全性と重量についても考えておく必要があります。
安全性イコール 材質とも言えるのです。また材質は重量にも影響します。
●ヘルメットの材質 →強度(安全性)や重量に影響する
●ヘルメットの重量 →軽いことが疲れないという最大の機能性
ヘルメットの材質は強度と価格に反映されている
ヘルメットの強度は安全規格以外に、ヘルメットの材質によっても違ってきます。
一般的なヘルメットはプラスチック製ですが、このプラスチックにも種類やグレードがあります。
(※プラスチック→TE・PP・ABSなどがグレード順)
さらに、強度の高い素材として、プラスチック樹脂の間にグラスファイバー繊維(ガラス繊維)を入れ、
軽量で強度を高くしたFRP製、
さらに強度の高いカーボンファイバーを入れたカーボン製の軽量ヘルメットもあります。
●安全性(ヘルメットの強度)を意識するならFRP製(グラスファイバー製)以上がおすすめ
材質が違えば安全で軽量な高品質ヘルメットと言える
機能という点では、これらのヘルメットはモータースポーツで使用可能な規格(MFJ公認規格)を取得したり
軽量で長時間の使用でも疲れないという大きなメリットもあります。
軽量で強度が高いヘルメットですが、量産ができないため価格も高くなります。
カーボンヘルメットは独特のカーボン柄がレーシーで、しかも軽量のため一部の最上位機種のみに採用されています。
●フルフェイスでも軽量なものは標準的なものより500gも軽量になっている(カーボン製)
フルフェイスの機能 本格レーシングヘルメット 選ぶなら


本格的なレーシングヘルメットを探すのであれば、日本での入手を前提に考えると
メーカーは限られてきます。
ショウエイ・アライ・OGKカブトの日本メーカー
HJC(RSタイチ)・AGVの海外メーカーです。
(海外製ヘルメットはフィット感や価格面での入手のしやすさを考慮)
必要な機能の考察
本格ヘルメット選びで外せない機能性について考えていきましょう。
代表的メーカーのフラッグシップ(最上級品)の機能について
●ベンチレーション
●シールド
●インナーバイザー
●曇り止め
●ブレスガード
●空力スポイラー
●チンカーテン
●スピーカーホール
●内装
●クイックリリース
●Dリング
●強度規格
●重量(素材)
●価格
これらを一覧にして、おすすめ機種を比較表にしてみました。
おすすめメーカーのフラッグシップ
機能 | アライRX-7X | ショウエイX-fifteen | OGK F-17 |
ベンチレーション | 6箇所(後方ダクト有) | 4箇所(後方ダクト有) | 4箇所(後方ダクト有) |
シールド | 視野の広いVASシステム | UV対応 (色可変) | UV対応 |
インナーバイザー | ✖️ | ✖️ | ✖️ |
曇り止め | あり(オプション) | あり | あり(オプション) |
ブレスガード | あり | あり | あり |
空力スポイラー | あり | あり | あり |
チンカーテン | あり | あり | あり |
スピーカーホール | あり | あり | あり |
内装 | 脱着可能(抗菌防臭) | 脱着可能 | 脱着可能 |
クイックリリース | あり | あり | あり |
Dリング | ○ | ○ | ○ |
強度規格 | SNELL | MFJ | MFJ |
重量(素材) | 1,600g〜(FRP) | 1,441g〜(FRP) | 1,551g〜(FRP) |
価格 | 約70,000円〜 | 約80,000円〜 | 約50,000円〜 |
●OGKカブトF-17 は価格面でのメリットあり
フルフェイスの機能 ツーリング快適ヘルメット 選ぶなら

競技用とまでは考えず、ツーリングで快適性を求めたヘルメットで機能面を比較し、選ぶべきヘルメットを考えましょう。
必要な機能の考察
●ベンチレーション
●シールド
●インナーバイザー
●曇り止め
●ブレスガード
●空力スポイラー
●チンカーテン
●スピーカーホール
●内装
●クイックリリース
●Dリング
●強度規格
●重量(素材)
●価格
ツーリングでの快適性を考えた機能性の高いヘルメット
比較してみましょう。
価格帯を二つにわけています。(6万円・3万円程度)
おすすめの機能性ヘルメット 6万円以内
ツーリングヘルメットとしての本格仕様品です。
機能 | ショウエイ Z-8 | アライ ASTORO GX | OGKエアブロード6 |
ベンチレーション | 4箇所(後方ダクト有) | 6箇所(後方ダクト有) | 2箇所 |
シールド | UV対応 | UV対応 | |
インナーバイザー | ✖️ | ✖️ | ✖️ |
曇り止め | あり | あり | あり(オプション) |
ブレスガード | なし | なし | あり |
空力スポイラー | あり | あり | なし |
チンカーテン | なし(チークパットで対策) | あり | なし |
スピーカーホール | あり | あり | あり |
内装 | 脱着可能 | 脱着可能 | 脱着可能 |
クイックリリース | あり | なし | なし |
Dリング | ○ | ○ | ○ |
強度規格 | SG | SNELL | SG |
重量(素材) | 1,331g〜(FRP) | 1,560g〜(FRP) | 1,393g〜(ABS) |
価格 | 62,700円〜 | 60,500円〜 | 42,900円〜 |
●OGK エアロブレード6は価格面でもメリットあり
おすすめの機能性ヘルメット 価格3万円程度
3万円程度のリーズナブルな多機能ヘルメットです。
機能 | OGK KAMUI3 | HJC HJH247 | YAMAHA YF-9 |
ベンチレーション | 3箇所(後方ダクト有) | 2箇所(後方ダクト有) | 2箇所(後方ダクト有) |
シールド | UV対応 | UV対応 | UV対応 |
インナーバイザー | あり | あり | あり |
曇り止め | あり(オプション) | あり | あり(オプション) |
ブレスガード | あり | あり | なし |
空力スポイラー | なし | なし | なし |
チンカーテン | あり | あり | あり |
スピーカーホール | あり | あり | あり |
内装 | 脱着可能 | 脱着可能 | 脱着可能 |
クイックリリース | なし | なし | なし |
Dリング | ラチェット式 | ○ | ラチェット式 |
強度規格 | SG | SG | SG |
重量(素材) | 1,625g(ABS) | 1,660g(ABS) | 不明(ABS) |
価格 | 32,000円〜 | 29,920円 | 33,000円 |
●HJC HJH247は機能が多彩
バイクヘルメットの機能について 優先すべきポイントと用途別おすすめ品 まとめ
バイクヘルメットの機能は何を優先すべき? ヘルメットの使用目的によって選ぶ
快適な機能性ヘルメットのメーカーと各種おすすめ品の比較
●バイクヘルメットの機能11種について
○ベンチレーション
○シールド
○インナーバイザー
○曇り止め機能
○ブレスガード
○空力スポイラー
○チンカーテン
○スピーカーホール
○内装
○クイックリリースシステム
○あごひも
●バイクヘルメットの機能以外 材質(安全性)や重量について
●フルフェイス選ぶべき代表的メーカー
●目的別ヘルメットの機能性比較(本格競技用)
●目的別ヘルメットの機能性比較(ツーリングで快適)
以上の内容でした。